山形vs池田 議論としてみると。

池田氏のブログにコメントしたけど、掲載して貰えなかった。収束したようだけどまだ余韻があるようなのでここに。この記事のTBは受け入れて貰えるのかな?(だめでした)

議論の枠組みでは山形氏の勝ち

議論の大枠としては、山形氏と池田氏が、同じ現象を別の観点で説明している、という形。これに加え、山形氏は池田氏の説明の致命的問題点(循環論法で説明になっていない)を指摘している。


一方、池田氏は山形氏の説明は、自分の説明(経済学の定石的説明)と違うと言うばかりで、指摘に答えず、自分の説明を繰り返すのみ。山形氏の説明に対して(教科書と説明が違うという以外の)問題点指摘はない。山形氏の説明の、趣旨を際だたせるための不正確なレトリックを指摘してはいるが、これは揚げ足取りと言わざるを得ない。


このように、議論としてみると、現時点で明白に山形氏の勝利となっている。


池田氏が逆転勝利を納めるには、

  • 循環論法になっていないことを示す、かつ
  • 分裂勘違い君の説明が、破綻・矛盾していることを示す

が必要だが、それが行われる気配はない。


しかし、ギャラリーは議論の勝敗には関係なく、イメージで勝敗を判断する。その点では、池田氏は優勢にあるといっていい。これは、池田氏がお嫌いな2ちゃんねるで観察される「勝敗」と同じだ。

内容に立ち入ると…噛み合ってない

それが中国より高いのは、日本人の所得が高いとか土地が高いなど、いろいろな理由があるが、
(略)
現実には、非貿易財やサービスの価格は、どこの国でもPPPと乖離している。
規制や賃金決定の硬直性などによって不完全競争(独占的な効果)が生じ、限界生産性を上回るレント(超過利潤)が生まれるのである。

http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/470cbdc39360f5b3c77d0372e3ddcb6e

ここが山形氏が説明しているところ。

競争原理が両国の同一職の賃金が近付ける圧力になるなんてことは、いくら無知な読者向けとしても当たり前の大前提の話。その圧力に対抗して、現状の賃金差を生んでいるモノは何か、というのが山形氏の説明の主眼点。


不完全競争があると、なぜ中国の方が安くなるのか。池田氏の説明には、この(元々の山形氏の説明趣旨において)肝心なところが抜けている。この肝心なところで、また「レント」なんてタームを出して終わりにしてしまうのは、なんとも2ちゃんねる的戦術に思えてならない。


さらにもう一歩内容に踏み込むと、競争原理による圧力と「平均生産性」による対抗力で、定量的にどちらが大きいか、という問題がある。これは、素人判断では前者の方が大きいのではないかと予測する。それ故、経済学の教科書的には前者の説明ばかりなのだろう。それをして池田氏に山形氏批判を行わせているのだろう。


しかし、その定量的な大小について、池田氏はなんら説明していない。従って、議論としてみた場合、やはり池田氏は勝ってはいない。

(追記おまけ)ご冗談でしょう、萌え理論さん

(お返事達の抜粋を並べて)
二人とも池田氏と同じこと言っているような気がしますが…。

http://d.hatena.ne.jp/sirouto2/20070218/1171886295

池田氏は、山形氏の説明を「徹頭徹尾ナンセンス」と言っている。けど山形氏は、池田氏は間違ってて自分だけ正しいとは言ってない。説明対象の主眼点が違うと言ってる。


で、どっちも正しいよってのが今回のお返事達(多忙なマンキューの返信だけは山形氏の説明には触れてないけど)。とすると、山形氏の言ってる事は否定されてないけど、池田氏の言ってることは否定されてるわけ。


どうせもうブロガー連中は飽きてて元エントリをちゃんと読んでないから適当書いたれ、という発想は、随分はてダ・はてブも舐められたものですね。


と、釣られてみた。